2020.01.22(水)
- 供養
- 葬儀
絶対に数珠って必要?
通夜や葬儀に参列した際に、
『あ、数珠を忘れた(汗)』
と慌てて数珠を借りたりした方も多いかと思います。
又、焼香が済んだ方に借りている姿も散見されます。
実際に私は通夜や葬儀のスタッフとして入る際には、制服のポケットに男性用・女性用とそれぞれの数珠を入れて、問い合わせがあった際に直ぐお貸しできるようにしております。
多分、どこの葬儀会館でも貸出用の数珠はフロント等に用意している事と思います。
で、今回のコラムは通夜や葬儀の時には絶対に数珠は必要なのか?
という事について書いていきます。
先ずは、数珠っていったい何なのでしょう?
『例文 仏教語大辞典』石田瑞麿著(小学館刊)によると
【数珠・珠数】
仏を拝んだり、念仏を唱える回数を数えたりする時に手にかけ、つまぐる仏具
多くの小さい球を糸に貫いて輪に作る。(後略)
というふうに説明があります。
仏を拝む時
念仏を唱える回数を数える時に・・・
というのが使用方法ですね。
ということは、宗派によって使用方法や意味が変わってきます。
(宗派ごとに数珠の形式に決まりがあります)
例えば、浄土宗ならば『南無阿弥陀仏』と念仏を唱えるので回数を数える時に数珠を爪弾きます。
逆に、念仏を唱えないような宗派では数を数えません。
じゃあ、絶対に数珠は必要なのか?というと、そういうわけにはいかない事情があります。
例えば、熱心な仏教以外の宗教の信者の方。こういう場合その宗教によっては数珠を持たない・焼香等もしないという教え(決まりや慣習)があります。
そのような方に対して仏式の葬儀にお参りに来たのだから、『郷に入っては郷に従え』と言わんばかりに数珠を持ちなさいというのは、いささか乱暴な話ですね。
そういうことを踏まえると、仏式の葬儀に参列する場合には、絶対に数珠を持ちなさいとは言えないですね。
しかし逆に仏教(宗派によりますが)としては、仏様を拝む場合には必ず数珠を持ちなさいという言い分もあります。
又、浄土真宗の蓮如上人は
珠数の一連をももつひとなし。さるほどに仏をば手づかみにこそせられたり。
聖人(親鸞)、まつたく「珠数をすてて仏を拝め」と仰せられたることなし。
御勧章2帖目5通より
(現代訳)数珠を持たずに仏様にお参りするのはよろしくないですよ。
それは仏様を手づかみしているようなもので失礼ですよ。
親鸞聖人もまた、数珠を持たずに仏様を拝んでもいいよとはおっしゃっていないよ
といった文章を残しております。
まぁ、蓮如上人は室町時代の方ですので、この令和の時代とは話が変わってきますが、浄土真宗系では数珠は持ってお参りしてほしいとの考えですね。
ここまでの話、じゃあ、どうすればいいのか?となりますが、
葬儀屋さんの感覚からいくと、焼香の最中にごそごそと数珠の貸し借りをするようならば、潔く数珠を持たずに焼香(お参り)へ進んで頂きたいです。
本人は密かにしているつもりでしょうが、はっきり言って大変目立ちますし、
みっともなく見えます。
只、宗教上の理由や忘れてしまった等の不可抗力を除いては、仏式の葬儀に参列の際は数珠を持ってお参りしていただくのがよろしいかと思います。
そして、もし数珠を忘れた場合は焼香や開式の前に、葬儀社の者に借りられるか聞いてみて下さい。(焼香の段階で気づいた場合は潔く焼香へ進んで下さい)
又、神式やキリスト教の通夜・葬儀に参列される場合では数珠は不要ですので、
お気を付け下さい。
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