掛布団と敷布団の間にある感謝
- エリア
- 奥様からご主人様へ
- 式場名
- あいネットホール中島
- ご参列者数
- ご逝去された旨の連絡をホールへいただき
- 私は、故人様がいらっしゃるご自宅へと車を走らせました。
お家に到着し、玄関のドアホンを押すと
故人様の奥様がお迎えくださりました。
ご挨拶の後、お家へあげていただいた私は、
お亡くなりになられたご主人様が休まれているお部屋へ通してもらい
まずは手を合わせて、拝顔いたしました。
- ご主人の傍に…
- 奥様は、横になっておられるご主人様の腰の辺りに
そっと…座られました。
『 今から、ご遺体の保護や枕飾りの準備をする為に
持参しました荷物の運び込みをさせていただきます。 』
と奥様に伝え、私は車へ戻り準備をすすめました。
いくらかの時間が過ぎ、
故人様のそばへ歩み寄りますと…
奥様は、変わらずご主人様のそばに座ったままでいらっしゃいました。
『 ご主人様の保護の為、ドライアイスを置かせていただきます。 』
と話しかけてもそのまま…
- 奥様の手は、
ご主人様が横になるお布団の掛布団と敷布団の間にそっと差し伸べておられ
組んではいないご主人様の左手を…
そう、傍に座られた時からずっと握っておられたのでした。
私は、たくさんの送られるお手伝いをさせていただきましたが
この様なことは初めてで…
さぞ奥様が故人様を愛してみえた事が、はっきりとうかがえました。
- 奥様に話しかけますと…
『 夫は、いままで本当に私たち家族の為に頑張ってくれました。
また、病気にも負けずとても頑張っていました…。
夫に頑張ったね…といたわりたい思いと、
いままでありがとうと感謝の気持ちが伝わればと…
手を握っているんです。』
そう教えてくださいました。
奥様の温かい手で握られた故人様の手に
冷たいドライアイスを置くことを、ためらったほど…印象に残る出来事でした。
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